第4回看護フォーラムレポート
第四回看護フォーラムが7月29日午後1時より、3階講堂で開催されました。第四回となる今回も、『看護師としての“やさしさ”とは』をテーマに、5名の看護師と他部署から3名が発表を行い、日々の業務の中に埋もれてしまいがちな「やさしさ」を言語化し、「“大切な何か”を見つけ合う場」となりました。
看護部各部署の発表



私は看護師として働いている中で、患者さんの思いを知ることは非常に重要であると実感しています。意識レベルがクリアな方でも認知症の方でも、納得していただけないと処置やケアなどに同意してもらえません。循環器内科では処置やケアだけでなく、患者さんに対しての生活指導も重要となっていきます。患者さんの思い、生活背景を傾聴した上で、患者さんが病気を少しずつ受け止められるように支援し、医療者としての正しい知識に基づき、看護師の思いを伝えながらその人らしく生活できるように支援をしていくことが看護師としてのやさしさであると思っています。
患者さんの思いをくみ取ること、自分の行おうとしている看護行為をきちんと相手に伝わるような形で伝えられており、きちんと看護ができているな、それが結果としてやさしさにつながっているのだなと思いました。今後も頑張ってください。

“この世に治せない病気があっても看護師が看護できない病気はない。”この言葉は私が新人看護師だった時から大事にしていることばです。『患者さんのことに関心をもつこと』『患者さんとひとりの人間として向き合うこと』『患者さんのできることを尊重する』という、私の考える看護師としてのやさしさの3つで、心が救われ、前を向くことが出来る患者さんがいるのはうれしいことだと考えます。これからもたくさんの患者さんと話し、一緒に悩むことで、患者さんと一緒に看護師としてのやさしさを追求していきたいと思います。
患者さんにとって必要なことを短時間でもきちんとくみ取ろう、寄り添おうとしているよ、という強烈なメッセージを常に伝え続けているケアをされているなという印象を受けました。後輩の皆さんにも伝え、その看護を継続してほしいなと思いました。

私は看護においての「やさしさ」には3つの意味があると考えます。1つ目の「やさしさ」は「関心を寄せる」姿勢です。患者さんは苦痛を感じていないか、安全で安楽に治療を受けるための支援、元の生活へ戻るために必要な支援は何か、など、日々の看護実践について考えます。また、共に患者さんに向き合う看護師や多職種にも関心を寄せます。2つ目は患者さんや家族からの良い反応、表情や言葉、スタッフからのフィードバックなどを通して生まれる「相手を思いやる気持ち」です。3つ目は看護師の精神的負担の軽減や働きやすい環境作り、チームワークの向上につながると思われる「医療者たちが医療者たち自身を認め大切に思う姿勢」です。私はこれら3つの「やさしさ」を大切にして、これからも患者さんに向き合い、スタッフと一緒に支援を考え看護実践を続けていきたいと考えております。
患者さん、看護師自身、チームという3つがそろってやさしさやケアが生まれるということを、きちんと言語化して筋道を立てて発表されており素晴らしいと思いました。また、時々自分たちがやっていることを俯瞰していろんな視点から考えてみることもとても素晴らしいと思いました。
他部署より考える“こうあってほしい看護師像”
看護の幅は非常に幅広く、患者さん自身だけでなく患者さんの家族や患者さんの置かれている状況もケアされており、本当に大変だと思います。看護を毎日続けていくということは、よほどのやさしさがないとできないと思っています。疲れや不安、失敗などから後ろ向きの状態の看護ではやさしさが足りなくなってしまうかもしれません。そのような時には多職種にも声をかけてみてはどうでしょうか。多職種の人は看護師の優しさが病院を支えてくれていることを知っています。看護師が健全に看護を行うことができていれば、そこには自然とやさしさが生まれていると思っています。
栄養管理には看護師の力がとても大切です。栄養士は昼しか患者さんを訪問することができませんが、24時間患者さんと関わっている看護師さんからの情報はとても貴重です。そのような看護師さんに1つお願いしたいことは、思い込みは味に影響を及ぼすと言われていますので、「病院食はまあまあおいしいでしょ」と言っていただきたいです。また、多職種からの専門的意見を共有することはより良い栄養管理を実現することができるため、親近感が生まれて連携をとりやすくなるよう、顔見知りになったり挨拶を心がけたりするようにしてほしいと思います。
看護師として私がモットーとしていることを話したいと思います。安全安心はもちろんのこと、快適さ、安楽をモットーとしています。患者さんは重症化する前に様々なサインを出しています。看護師は働いていて何かおかしいという思いがあると思います。患者さんが伝える症状を一つ一つ言語化できたら患者さんが重症化を予防することができると思います。患者さんの些細な言葉でも察知する、その症状が重症化するのではないかと推論する、何かおかしいということを周りに伝えるということが重要になると思います。
特別講演
「真のやさしさとは」について、ご自身が経験された2つの具体的な事例を挙げながらのご講演でした。看護師としてのやさしさは関心、専心から始まる、そうしないと共感できない、共感するということの意味を考えていただきたい、とお話されました。
コメンテータからの総評
参加させていただきありがとうございました。「やさしさ」が漢字ではなくひらがなで表されているのには意味があるなと思いました。ケアをきちんと見える形にしている、それを承認する場があるのは素晴らしいことだなと思いました。コメンテータからの総評
自分が患者さんの立場だったら、自分の家族が患者さんだったらという視点で聞かせていただきました。私もこの病院だったら入院したいと今日つくづく思いました。一人一人の方たちが日々ハードな病院の中で、迷いながら自分の看護がこれで良いのか考えながら仕事をされているということが素晴らしいと思いました。自分の看護を日々言語化しながら伝えていくことで、周りだけでなく自分のモチベーションも上がっていくのだなと思いました。